kokoro 日本の心

単なる雑記です。

非常事態宣言1カ月延長に思うこと

こんにちは

 昨日、安部首相から緊急事態宣言が1カ月延長になる旨の会見があった。賛否両論はあるが良いことであると言うか当然であると思う。否定的な意見は、経済がいつまでも持たないということ、特に商売がクローズしたままでは中小企業の資金繰りにも限界がある。またレストランなど飲食店、小売店などでは収入がなくても賃貸料などの固定費が毎月発生しており、同じく資金繰りに既に困っている。飲食店がクロースしているものだから卸売り、またはその先の1次産業、特に漁業従事者などは魚を取ってきてもさばけずに影響が出ているという。観光、航空などの運輸にもすでにこの1カ月で大きな影響が出ている。緊急事態宣言を解いて、通常の商売に一刻も早く戻りたいだろう。

 しかしそういう状況はわかった上で、やはりまだウイルスが終息していない今、通常の仕事に戻るのはリスクが多すぎるだろう。特にPCR検査数も十分でない中で、元に戻せばどうなるか? 症状の出ていない健康保菌者や軽い症状で自分は感染していないと考えている人たちが街中出歩き、再度感染者数は青天井で増加するに違いない。イタリアのようになってからでは何人死ぬかわからない、特にイタリア同様、高齢者人口も多く、また仕事に行くのに満員電車で毎日通勤する文化である日本はどうなるか目に見えている。そうなってからでは手遅れである。いろいろな不満は出ているが、現状を見ると延長は外せない決断であり、まずは延長を前提に物事を進めて行かなければならない。

 その上で、5月末までに完全に終息させて経済を再開させるための手を早く打たなければならない。延長に伴い中小企業や零細事業者救済のための手を早く十分に打つ。でないとこのままではバタバタ倒産する。PCR検査数を増やし、少しでも感染可能性のある人は強制的にでも隔離する。アビガン等の承認を早くする等、政治的な決断を求められる事項が多く存在する。有識者、専門家にちんたら聞いて対応している時間はなく、こうなった以上、誰にでも今、何をすれば良いかわかっていることを早くやるしかない。にも関わらず政府の決断能力は遅くて重い。風俗への補償はどうするのか?とかバーやスナック、パチンコ等はどうするのか?等、どうでも良いことをちんたら議論して困窮者に30万円の補償か、一律一人10万円の補償か決めるのにさえ時間がかかりすぎである。風俗やおかまバーなどいったん潰れてもどうせ雨後のたけのこのように自然発生的に出て来る。アベノマスクなど未だ我が家にも届かない。事実上、自民党一党支配状況で、民主党政権時に野党に絶望した人が多く、自民党に政権を担当してもらっているのに何でぐずぐず決められないのか? あと1カ月などあっと言う間にやってくるがその間に自然に終息していると思っているのだろうか? 日本は国民を頼りすぎであり、これでは国会議員は何のためにいるのか存在意義がない。

 大阪府知事も会見で述べていたように、緊急事態宣言と零細事業者等に対する救済案や検査、医療体制の強化はセットで同時に考えて行かなければならない事項であろう。宣言だけ延長して「後はみんな頑張ってくれや」とお願いしているようなものである。それではみんな不安だろう、ただし、前述したようにウイルスが終息していない現在、通常業務に戻すということはあり得ない。経済が回らないとは言え、まだ多くの日本企業は耐えられる力はある、いちど死んでしまっては事業復興も出来ない。

 ブラジルでは既に感染者が87千人、死者が6千人を超えている、3月20日に非常事態宣言を出してからも感染者、死者数は増え続けており、医療崩壊が現実になりつつある。そのような状況下にも関わらずボウソナロ大統領は「経済を再開しろ」と各州に圧力を強めており、隔離政策を進める国民に支持されている保健衛生大臣を更迭してしまった。ウイルスによる経済困窮に加えて、政治まで大混乱を起こして収拾がつきそうにもない。ボウソナロ大統領はコロナウイルスは「ちょっとした風邪だろ、なんでみんなそんなに恐がっているんだ、外に出て働こう」と声明を出しており、むちゃくちゃ国民の反感を買っている。

 ペルーでは対策は徹底していて3月16日に非常事態宣言を出してから、外出禁止令、ペルーへの出入国禁止令を出して事実上、国をロックダウンしている。外出禁止令と言うのは徹底していて、日常の買い物のみ許される、それも日時が決まっていて、それ以外の日に外出したらアウトである。仕事をするなどもっての他であり、すべての経済活動は現在止まっている。またペルーへの入出国禁止令は発表された翌日から実施され、すべての国際便がその日からキャンセルされ、外国人のツーリストがペルーを脱出できなくなったほか、ペルー人でその時に観光旅行や仕事で外国に行っていた人もペルーに戻れなくなってしまった。これは今も続いている。極端すぎる対応だが、そういう対応をしていても現在、感染者は37千人、死者は千人を超えている。

 メキシコでは不要不急の業務停止令を3月30日に発表して、5月30日までの延長を4月末に発表、それでも感染者数は毎日増え続け現在19千人、死者数2千人弱である。アムロ大統領は雀の涙のような零細事業者救済策を出しているが、それではまったく役に立たない。しかし、もともと歴史的に政府をまったく頼りにしていないメキシコ人であるから大きな批判は出ていない、冷めた目で見ているし「自分で自分の身は守らなばいかんもんね」と働かねば食っていけないおっちゃん、おばちゃんらは外でモノを売ったりしているだろう。感染者が止まる気配は今のところない。

 こういう中南米のめちゃくちゃな政府の対応と比較すれば、我が日本政府の対応はまだ丁寧でまともだと思うが、今は非常事態であり従来の政策決定とは違ったスピードが求められる。これでもスピードを上げてやっているつもりなんだろうが、我々から見たらまったく遅い。なぜ閉店を県が指示しているにも関わらず開業しているパチンコ屋に何も出来ないのか?しないのか? 県知事の権威の失墜でしかないのだが。

 では今日はこのへんで。