kokoro 日本の心

単なる雑記です。

検疫生活終わり 自宅へ、長期間単身赴任していたおっさんが自宅でこれから家族と過ごす

こんにちは

 ついに本日自宅へ帰る日が来た。これまで7年間メキシコに単身赴任していたので自由気ままに過ごせてきたのだが、今日からどう過ごせばよいのか少し不安である。  今まで日本出張や夏休み等で1週間~10日ほど自宅で過ごすことはあったが、これからは毎日だ。メキシコでは4LDK150M2くらいの広いマンションに一人、日本では同じく4LDKだが120M2の一軒家に3人、娘が帰ってきたら4人で過ごす。これまでからすれば超過密状態だ。3密は守れない。どうしよう。これまでは休日だと好きな時に好きなことをすれば良かった。これからはゴミを出したり、掃除を手伝ったり、買い物に付き合ったりしなければならない。おまけに電車で1時間ほど行ったところに年老いた母親が一人で住んでおり、そのケアもしなければならない。うーむ。これは大変そうだ。しばらく自宅での生活に慣れるまで家族間に心理的な葛藤があるに違いない。家内にしても、これまで子供だけの世話をしていれば良かったし、しんどい時期もあっただろうが大体お気楽に暮らしてきたのに、定年退職のおっさんが一人増えるわけで迷惑だろう、ストレスでおかしくならないように気を遣わなければならない。いまさら若い頃のように「いつも一緒にいたい、いなくて寂しい。」などの男女の感情はあるまい。そういう時期はとっくに過ぎてしまい、安定した家族愛のようなものがある。ただあまりに一人で過ごす時間が多かったので家族と過ごす距離感というものを忘れてしまった。子供も成人したし、以前とは違う。これからまた作って行かなければならない。

 メキシコ人は少し違う。本心かウソか知らないが、いくつになっても、じじばばになっても「愛しているよ」とささやき、人前でも平気でキスや抱擁をし、FBにも「愛しているよ、ちゅっ」等と書いて仲の良い写真を投稿している。「良くこんな写真恥ずかしげもなく人前にさらすなー。俺なら絶対でけん。」とこちらは少しびっくりするのだが、彼らから見ればごく普通である。夫婦、そして家族、友人との距離感は近すぎるくらい近い。結構、年をとっても毎週のように必ずSEXしているらしい(聞くところによると)、男性はまあ年取っても生理的にやりたいのだろうし、女性は求められたら、しないと離婚の原因になるか、絶対浮気すると思っているので男性を引きとめるためにも必ずSEXするだろう。彼らにとってはレスで夫婦関係を続けるなどあり得ないと思う。上記のように常に愛情を注ぎ続け、そして確認している、していないと不安だし、愛情がないと一緒にいる意味がないのである。

 ていうか日本でレスで夫婦関係を続けている方が異常に思える。メキシコ人の場合、もし相手が拒否を続けようものなら「愛情なし」と即判断し、男性も女性も浮気するか即離婚だろう。倫理観はゆるいし、もともと愛憎の感情は激しいので相手はいくらでもいる。すぐに浮気相手に子供も生まれたりする。カトリックなので簡単に堕胎はしない考えも影響している。結果、一人の男性(女性)に複数の家族が出来たりするが、別にそれでも罪悪感がないと言うか「俺に家族がもうひとつ増えた」と喜ぶ人もいるらしい。正式に結婚していれば(つまり教会で宣誓している)、もしくは5年以上一緒に住んでいれば、裁判所は養育費の支払いをどちらかに命令できる。そうでなくて、単に仕事も収入もないくせに避妊もせず、堕胎もせず、正式に結婚もせず子供だけ生まれてしまっても、養育費の支払いは不要である。

 男性の場合を例に取ると、甲斐性のある男性なら責任取って出来た子供の養育費を払うが、甲斐性や責任感がないとどっかへ逃げてしまうか、もしくは女性が仕方ないとあきらめてシングルマザーとして仕事をしながら子供を育て、男性がたまに会いにきていたりする。子供に会いに来ることを女性側が拒まないのも日本人にはなかなか理解できないだろう。男性は養育費も払えないカス男であるが子供の父親であるには違いないので会いに来るのは許す。となんとなく寛容で優しいのである。日本であれば、子供に「お前のお父さんはひどい人で子供作って逃げた、お父さんはもういないと思え」とか小さいころから言い聞かせて絶対に会わせないようにするかも知れない。

 上記のようなケースが多いので結構、家庭環境は複雑である。家族で一緒に住んでいるように見えても父親が違う兄弟などや、離婚して子供と実家に帰ってきた娘、結婚もせず父親は逃げてしまって子供だけ出来た娘などと一緒に住んでいたりする。そういう複雑な環境で一緒に住んでいても、境遇に嘆かず、明るく、みんなで誕生パーティしたり小旅行に出かけたり、週末には必ず両親の家に行って過ごすなど、家族を大切にして人生も楽しんでいるメキシコ人を日本人も少し見習った方が良い。我々は仕事のしすぎかも知れないが、都会の核家族ともなると距離感はそこまで濃密ではない。

では今日はこのへんで。