kokoro 日本の心

単なる雑記です。

検疫生活12日目 パチンコについて

こんにちは。

パチンコ業界がコロナウイルス禍の非常事態宣言下でも営業をやめない店があるということで大きな話題になっている。開業している店には列をなして客が集まっているのだ。パチンコは海外でも日本の文化風俗として有名で日本ファンの外国人なら「パチンコ」は芸者、寿司と並んで結構知っている日本語のひとつだと思う。ただあまり実態は知らないのではないか。私もパチンコは生涯で記憶にある限り1~2回くらいしかやったことがないので良く知らない。タバコの煙もすごいし、あまり近づくことのない場所である。学生時代、友人に一度同行して、なるほどこうして金に換えるのかと感心したが、その後、自分でやってみた際にあっという間にお金がなくなってしまったのでこれは俺には無理だな。と早々に切り上げたのが最初で最後だったような気がする。ラスベガスに仕事で訪れた際にも何度かスロットルマシンをやったこともあるが、これもすぐにお金がなくなった。10㌦くらい使ったらもったいなくなってやめた。一攫千金、儲かるかも知れないと思ってやる人はやるのであろうが、汗水たらして苦労して稼いだ金をあっという間に失くしてしまうのはどうみてもアホらしい。そのお金、全部胴元が吸い上げているのである。賭博の胴元は絶対儲かるにちがいない、なんせ暴力団やマフィアに資金源にするくらいだからだ。

そもそもなぜパチンコと言うのであろうか?これ日本語か?ということで調べてみると名前の由来には諸説あるが、初期のパチンコ遊技台にはレバーがついていて手動で球を弾いてゲームをスタートし、台に設けられた穴に1個入ると複数の球が出て来るようになっていた。このレバーを弾く際の擬音語「パチン、パチン」と接尾辞である「子」がくっついてパチンコとなった説が有力だそうだ。「鬼ごっこ」や「かけっこ」とかの「こ」である。ちなみにY字型の木の枝にゴムをくっつけて石を飛ばす昔の子供の遊び道具も同名であるが、これはひらがなで「ぱちんこ」と表し区別しているそうだ。パチンコの歴史は古い。ルーツは欧米で流行したコリントゲームと言われる遊技機で大正末期から昭和初期に日本に輸入された。今のスマートボールのような遊技機であるが、球ではなく1銭銅貨を弾いて遊んだそうだ。その後、1銭銅貨には皇室の紋様があるので遊技機には使ってはならないと禁止になった。

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パチンコ遊技台のルーツ「コリントゲーム機」

1930年(昭和5年)に名古屋で日本で初めてパチンコ店が営業を始めたのが今のパチンコの始まりである。その後、第2次大戦時には一度禁止になり、戦後復活した。2019年に営業している店舗は全国で8747店、1990年には約16000店あったのだが年々減ってきている。「レジャー白書2018」によれば2017年の参加人口(つまりパチンコやっている人)は約900万人、球の売上高は19兆5400億円である。同白書によれば、ピーク時(2005年)には34兆8620億円の売上があったので、これも年々減ってきている。出玉による還元率が85%程度と言われているのでパチンコ店の実際の売上は球の売上高の15%程度らしい。85%も還元するって本当の数字とも思えないが。また24万人もの従業員がパチンコ店で仕事をしているとのことだ。

ざっと計算してみると、19兆5400億円X15%=実質の売上2兆9310億円÷8747店=1店舗当たりの売上3.3億円。従業員数24万人÷8747店=1店舗当たりの従業員数27人。経費はパチンコ遊技機の設備投資、メンテナンス費、光熱費、賃貸料などで、ちなみに新台の価格は4~50万円とのこと。100台で5000万円、200台で1億円である。どれだけ儲けているのかこの数字だけでは推測しにくいがパチンコ人口が年々減っていることを考えると、店の経営は段々と苦しくなっているに違いない。にしても3.3億円ー新台入れ替え1億円ー諸経費仮に1億円としても、年に1店舗当たり1.3億円の利益である。儲からない訳がない。

パチンコは風俗営業に属しており賭博とはみなされていない。庶民の娯楽として位置づけられ風営法で規制されている。しかし戦後まもない頃、出玉をチョコレートやおもちゃに換えて子供にお土産として持って帰ったり、帰宅前に駅前のパチンコ屋にちょっと立ち寄って日常生活のストレスを和らげていた時代なら娯楽とも言えようが、今は特殊景品をもらって換金する賭博性の面が強い。日本の市民の公然の認識としても賭博としてみんながみんな見ていると思う。毎日、平日の朝から、たとえコロナウイルスが蔓延してもパチンコ店に並んで通い詰める人たちは娯楽の域を超えている。誰が見たって賭博行為をしている以外の何物でもない。これをお上は3店方式という解釈で賭博罪をパチンコ店に適用していない。パチンコ店、特殊景品を金に交換する古物商(景品交換所)、景品交換所から特殊景品を買い取りパチンコ店に卸す景品問屋の3店はそれぞれ別法人であり、それぞれの店は賭博行為をしていないのだと言う解釈である。その解釈がどういう詭弁なのか、まかり通っている。3店別法人など同じ胴元が登記を別にすれば簡単にできる。さっさと明らかにして違法にして公営ギャンブルのように特別法かカジノ法のように厳しい規制をするべきだと思う。利権がからんだり、警察などとの過去からの癒着もあり、なかなか法改正は出来ないのだろうが、それをやるのが政治家の仕事であろう。2018年のカジノ法成立の時に「じゃパチンコはあれは何なんだ、おかしいじゃないか」という議論は真面目にされていないのではないか?外国人はみんなパチンコは日本のスロットルマシンのようなもの、すなわちカジノだと思っているに違いないのである。

では今日はこのへんで。