kokoro 日本の心

単なる雑記です。

検疫生活10日目 日本と中南米のコロナウイルス対応の違い

こんにちは。

検疫生活も10日目になりアルコールも控えているせいか体調はすこぶる良好である。自分がウイルスの感染源とならないために海外からの帰国者には2週間、自宅もしくはホテルでおとなしくしていなさい、その間、公共交通機関も使ってはならない、という政府の指示に従っているわけであるが、最初は「えー、2週間もホテルに閉じこめられて何をしたらええねん、無理」と思っていたけど、周辺の散歩も少しはできるし、酒も飲まず、金も使わず、体調も良くなりで「結構ええ生活やん」と思い出してきた。家に帰って狭い自宅で家人の「この人、感染してるんちゃうやろか、いっしょに住むのいややなー、洗濯もんとか別にして、風呂は一番最後に入って最後は自分で洗てな」という白い目にさらされ、散歩に行くにも近所の人から「あれ、外出てええんか、ちょっとあの人には近づかんとこ」というような無言の避難を浴びるような窮屈な思いをするよりホテルの方がなんぼかましと思える、仕事もせんでいいしお気楽なもんである。

報道番組をちらっと見ると日本は緊急事態宣言が出てからめっきり人出が減っている。そして昨日の日本全国での感染者は約200人と、ここ数日は以前に比べて減少しているように思える。ただこれは「PCR検査数を減らしているので感染者数も減ったように見えているのだ、政府が緊急事態宣言を出してから成果が出つつあるということを見せたいと、わざとPCR検査を減らしているのだ。ゆめゆめだまされては行けないぞよ」という批判もあるが、とは言え数字が減っているのを見ると励みになる。「やったー、自宅待機の効果出てきてるやん、やっぱ日本すごい」と思いたくなる。日本人はやはり非常に素直だ。緊急事態宣言で「みんな外出しないで、家にいてください」と呼びかけると素直にそうしてくれる。湘南海岸に人が押し寄せるのを県知事が「神奈川県には来ないでください」とテレビで呼びかけた次の日には、がらがらになった。こんな状況下でもパチンコ屋にまだ行く客はちょっと異質な輩だが、大多数の日本人は素直に我慢して自宅待機生活をおくっている。えらい。たいしたもんや。一方、政府、役所の対応はあきれるほど遅い。法律で縛られているので動きが取れない。という言い訳もあるが、それならさっさと法律を変えれば良いのにぐずぐすと遅い。感染の初期段階でウイルスをまき散らしていた中国人旅行者を入国拒否するのも遅かったし、緊急事態宣言を出すのも遅かった。驚くことに今だにコロナウイルスに対するアビガンの薬事承認もされていない、2000例も症状改善の報告があるにも関わらずである。通常では承認に1年かかるそうだ。諸外国では半年、緊急事態では3カ月でやると言うのに。ただ役所にはそういう緊急事態に対して決められたルールを曲げてやる権限はない。勝手に暴走してやられたら困るからである。それをやらせるのは国民であり、国民の代表である政治家の仕事である。その政治が上記のように後手後手にまわっており、リーダーシップを取れていない。今回のコロナ患者が少しづつ減りつつあることにしても素直で優秀な国民性、清潔な生活環境、病院設備の充実、優秀な医師看護師の存在等に大きく依存している。安倍首相にも今回でがっかりだ。おそらく総理大臣の最後の年を習近平の日本招待と東京オリンピックで締めくくって名宰相として歴史に名を残したかったのであろうが、そういう私欲が優先され、コロナウイルスに対する楽観的な見通しも相まって決断時期を遅らせてしまい結果的に大きな犠牲を国民に強いてしまった。致命的な判断ミスである。

ひるがえって外国の対応は様々である。イタリア、スペインなどでこれだけ大きな犠牲者が出てしまったのは政府の対応も遅かったせいもあるが、楽観的な国民性、利己主義、快楽主義、高齢化などが影響している。日本のパチンコ屋の客と同じく政府の言うことをあまり聞かないのである。身近な人たちがばたばた死ぬという大変な状況になって初めて「しまった!」と思って都市をロックダウンしたのであろうが時すでに遅し。

ラテンアメリカはブラジル除き、もともとスペインが宗主国であるから国民性は少し似ているのに加えて貧困という大きな問題が横たわる。西欧の悲惨な状況を目の当たりにした政府の対応は非常に早かった。早すぎて国民がついて行けないくらい早かった。ペルーでは3月16日にいきなり「明日からすべて国民、外国人問わずペルーへの入国、出国を禁止する、おまえら外から来るな、外にも出るな」という政令が出て翌日からフライトがすべてキャンセルされた。ペルーに滞在している外国人観光客、メキシコに滞在しているペルー人観光客は、本日現在もまだ帰国できていない。自費で滞在し続けているが、お金も底をつきかけている。チャーター機を飛ばして帰国させる動きもあるがどの国も自国の対応で精いっぱいでそこまで気がまわらない。また同時に外出禁止令を発しており、買い物に行くのだけが許可され、しかも割り当てられた時間だけ行けるようになっており、それが5月10日まで続くそうだ。仕事なんかもっての他である。パナマでも同じような措置を取っている。そこまでしているにも関わらず感染者、死者とも中南米でも多いのはやはり国民の大多数を占める貧困層での感染が多いからだ。彼らは都市部では路上や粗末な屋台でモノを売っていたりする人たちであり、田舎では貧しい農民、漁民等の仕事に従事している。その日暮らしで貯蓄もなく大家族で身を寄せ合ってすごしている。ウイルスにかかっても病院に行く金などない。それに公共の病院設備もプアだ。こういう人たちは家におれと言っても仕事をしなければ餓死するので外に出て仕事をしたいし、家族のためにも仕事をしなければならない。それで感染者がさらに増えてしまうという悪循環に陥る。だから政府が「家にいてください、協力お願いしまーす」のような生半可なお願いをするのではなく、「家にいろ、外出禁止、違反したら逮捕する」と強権を発動して強制的に外にでないようにしてみんながウイルスに感染しないようにするしかない。しかし国には金がないので休業の補償などない、みんながうまく行く方法はない、全国民がウイルスで死ぬより何ぼかましだろう、という考えである。ただこのまま行くとウイルスで死ぬより餓死する人がどんどん出て来ると思うので次にどこかで折り合いをつける時期がくると思う。

日本のパチンコ屋でまだ開業している店の名前を公表して自発的に店を閉めてもらうおうという生ぬるい対策が報道されているが、もしこれがペルーなら、有無を言わせず政令で休業にすることをさっさと決めるか、警察を踏み込ませて別の理由で経営者を逮捕して牢獄にぶち込むだろう。日本と違ってこういう時の政治のリーダーシップは強すぎるくらい強い。日本の「のらくら」した対応を見ているとずいぶん生ぬるく感じる。そもそもパチンコ屋って、いくら景品交換所が別の店だと言っても、そこで金に換えてくれるしみん知っているように賭博そのものだ。なぜ違法にならないのだろうか?変化解釈が存在できないように早く法律を改正してスパッとパチンコを禁止にするか、逆にカジノでも作って統一すれば良いのに。

では今日はこのへんで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ開業しているパチンコ屋に対して非難ごうごうで、それが連日マスコミで報告されている。